結納は正式なご挨拶の儀式です。
何よりも大切に育ててこられた、家の宝ともいうべきお嬢さんをお嫁さんにもらい受けたいとお願いに上がるわけですから、正式なご挨拶はあって当然です。衣服を整えて、本当にきちんとしたご挨拶の品々を携えて、改まってお伺いするということ、結納は、そういう男性側から女性側への正式なご挨拶の形なのです。 結納のご挨拶というのは、二人を取り巻く社会生活を円滑にしていくために、親や家族、親戚、友人や知人の協力が必要です。そのために、よろしくお願いしますと、お互いに両家の親が本人たちをフォローしてあげるための縁結びといっていいでしょう。
結納の方法
結納は、地方によってしきたりが異なり、それを無視できないこともあるので、両家と仲人の間で充分に話し合いをもって、結納の準備をするべきです。当人たちがこれから夫婦となることを誓い合い、同時に、回りの人たちも二人の結婚を認めるという、一つのけじめをつけるために大切なことです。本来 結納というのは、あくまでもその意志をもった他人が仲立ちをする(お仲人)ことで、両者の糸を結んであげるというものですが、簡単にしようということで、簡略化され、略式で男性側のご両親が女性側に結納を納める場合も多くなりました。結納の取り交わしは、昔のしきたりでは、大安、先勝、友引など吉日の午前中に行うのが正式ですが、現在では、お互いの都合もあることですし、暦の日柄には、あまりこだわる必要はありません。 仲人や本人たちの都合のよい日を選び、その日が吉日なら申し分ないでしょう。一般には、土曜日か日曜日に決めることが多く、時間は、午前中でも午後でもよいのですが、夕方までには取り交わし終えるようにしたいものです。 正式には、おめでたいことなので午前中にすませるのがよいとされています。
結納の挨拶
女性側に結納をお持ちしての父親の挨拶は、「本日は佳いお日柄につきご婚約の印として結納の品を持参致しました。幾久敷御受納下さいませ」、と云う意味の口上を述べます。
結納の服装
結納当日の服装は、格式を重んじる場合は正式礼装で、本人はモーニング、振り袖、お仲人やご両親はモーニング、留め袖となにます。略式の場合は本人は男性はダークスーツ、女性は和装なら振り袖や訪問着、洋服ならワンピースかスーツで、ドレッシーなものを着用します。お仲人は、男性はダークスーツ、女性は和服なら訪問着、色無地、付け下げのいずれか、洋服ならドレッシーなもので本人たちより華美にならないように、一段色を押さえます。ご両親はお仲人の服装に合わせますが、両家とも同程度の服装になるように注意します。